もうやがて結成3年だか4年だかになる僕がリーダーのカルテット。
とはいうものの活動は控えめでして、1シーズンに1回の頻度のライブも実現できておらず、ほぼ年1回のJazz Openに合わせて、前日にどこかでライブして、Jazz Openにももちろん参加するんですが、つまり年に2日だけ演奏するというカゲロウのように儚いバンドなのだ!
しかも僕が酔ing のマスターに就任したので、さらに状況は厳しくなり、今年2024年はJazz Openの前日ライブを酔ing でやらざるを得ず、つまり当日は演奏とマスター業を両立せねばならないという高いハードルが設定されてしまいました。しかし、まあギリギリなんとかなりましたね。お客さまとメンバーに感謝するしかないです。

音楽的には、僕のオリジナル曲及びオリジナルアレンジ曲及びその時好きな曲を演奏するという『中田博』色を前面に押し出すというわがままなコンセプトを貫いています。
それにも関わらず、「Stablemates 」なメンバーたちはそれを受け入れてくれておりまして、特に僕のオリジナル曲をメンバー全員が気に入ってくれているのが嬉しいんですよね。

ドラマーの日高潤也さんは、僕が若い頃から「なんだか凄い人」ってイメージがあって、純然たるプロミュージシャンの風格があって少し近寄りがたかったのですが、ある件をきっかけに意気投合しました。このお方はドラマーとしても素晴らしいですが、ドラマーを超えて音楽を俯瞰できるところが僕は好きだな。

ベーシストの小車洋行さんは、まあ僕を知ってる人ならほぼ知っていると思いますが、まさに彼こそ竹馬の友。大学ジャズ研時代から仲良くさせてもらってて、しかも今だに仲良しという奇跡の親友。僕のベーシスト像そのものであり、僕にベーシストからの視点を教えてくれる人です。

ピアニストの緒方公治さんは、メンバーの中では1番新しく友達になりました。小車さんや日高さんに加わる「Stablemates 」にふさわしいピアニストは誰かと考えた時に、緒方さんかもしれないなあと思ってお誘いしましたが、ドンピシャ正解!僕のオリジナル曲を、僕よりも深く理解して、めちゃカッコよくコンピングしてくれます。
さて今年9月に、ベニー・ゴルソンがとうとう亡くなってしまいましたね。僕は彼の曲が大好きで、よく言われるハーモニーセンス、そして曲としてのアクセントの付け方というか、スパイスの効かし方というか、バランス感覚というか、作曲上のお手本にしていた偉人でした。

なので今年のStablemates は、まさに「Stablemates 」や、「Killer Joe」などのゴルソン・ナンバーをやってみましたし、僕の比較的新曲「Sweet Bite」や「The Grand Drama 」もやりました。やばいくらい楽しかったです。
尊敬し信頼する気のおけないメンバーとの2日間の演奏は、Jazz Openのプロデューサーという重圧のかかる大役をやり遂げるための精神的報酬と言っていいと思ってます。
というわけで、本当はこのメンバーでそろそろレコーディングして、新しいアルバムをつくってみたいという意欲が、僕の重い腰を少しずつ動かしつつあります。
ということで、ジャズ好きなリスナー・ミュージシャンのみなさん、1人でも多くの方に僕たちの音楽に触れてもらえたら嬉しいです。今後もひっそりと頑張りますので、「中田博 & Stablemates 」をどうぞよろしくお願いします。