サックス奏者にとって、楽器本体とマウスピースとリードをどう組み合わせるかというのが、結論が出ない悩みである。
というのが一般的な意見のように言われています。しかし、僕はちょっと違う意見を持っているんですよね。
サックス奏者のそんな悩みは、悩みと言いつつ、側から見るとホビーとして悩むことを楽しんでいるようにしか見えないんですよね。
だって、「悩むわ〜」とか言いながら、目の奥はニヤけてたりしますもん。
ちょっとニュアンスを変えて言えば、逆に悩んでいたいんじゃないかと。だってそんなことで悩んでいる方がラクだから。もっと本質的な問題から目を逸らし続ける口実として、セッティングについてあーだこーだと思案をし続けているようにも見受けられるのです。
僕の好きなテレフォン人生相談でもよくある話ですが、本質的問題は旦那さんとうまくいってないことなのに、ちょっとした子供の問題で悩んで、考えるフリをして迷っているだけという主婦みたいなもんですよ。

さて最近、僕は楽器本体とマウスピースを変えることはほぼ可能性が低いのですが、故あってリードを最近ちょこまか変えています。
でもこれは僕が使っているリードが、ちょっとマニアックな銘柄でして、お世話になっている楽器屋さんでデッドストック状態になっていることに良心の呵責を覚えて、つい購入したからというわけなんです。
ちなみにいつもは、マーカというメーカーのアメリカンヴィンテージというモデルの、硬さが2というのを使っているのです。
先月は同じマーカでもマーカ・ジャズというモデルの硬さが2.5を、そして今月はアメリカンヴィンテージの硬さ3を買いました。
怪我の功名というとちょっと違う気もしますが、この微妙に違うリードを吹いたことでちょっとわかった気がすることがあるので、今回ご報告しておきたいと思います。
まず前提として僕のマウスピースは、オットーリンクというメーカーのメタルマウスピースでして、しかも最高に開きの大きいものを使っています。
開きの大きいマウスピースには2とか2.5とか柔らかいリードを、開きが狭いマウスピース3.5とか4とかを合わせるのが一般的だと思います。
そもそもマウスピースの開きは狭い方が、リードは柔らかい方が、初心者には音が出しやすいというわけです。
でもだんだん上手になり、やりたい音楽ジャンルの種類や、出したい音色の好みによって、開きは狭いままでリードを硬くしていくか、リードは柔らかいままでマウスピースの開きを大きくしていくか、簡単に言えばそのどちらかの方向性で自分のセッティングを探していくわけですね。
僕は半ば機械的に、最高に大きな開きのマウスピースに、1番柔らかいリードを組み合わせていたのですが、今回2段階も固いリードを吹いてみると、意外なことに気づきました。
1つは「吹けなくもない」ということです。3.5とか4は流石に厳しいのかもしれませんが、オットーリンクメタルの9⭐︎に、3のリードはアリだなと思いました。
そしてもう1つは、「ピッチがつくりやすい」ってことです。
一般には楽に音が出るリードを神リードとしている人も多いようですが、僕にとっては楽に鳴らせることより、ピッチをコントロールしやすいことの方が神リードの条件としてプライオリティが高い。3の硬さのリードは、いつも使っている2の硬さのリードよりも、ピッチコントロールが容易に感じました。
というのが実験の結果わかったので、リードをマーカのアメリカンヴィンテージの2から変更して、3ではなく(^◇^;)、2.5にしてみたいと思います。
