僕が釣り好きなことは、ご存知の方も多いかと思います。
釣りと一口に申しましても、いろいろな釣りがあるわけですが、僕が特に好んでいるのが、チヌ釣りでして、さらにチヌの釣り方にもいろいろあるのですが、その中でもウキふかせ釣りというものに魅了されています。
この釣りは、難しいから面白いという意味ではジャズに似ている気がします。どう似ていると言えば、潮の動き、風の影響、本命魚や餌取りの活性、撒き餌の動き、仕掛けの状態、さまざまな要素や状況を複合的に考えて判断していかなければならないというところが、即興演奏的な気がするんですよね。
ふかせ釣りそのものがジャズ演奏とすれば、釣具は楽器のようなものかもしれません。いろんな道具を試すというほどの資金力もない僕ですが、釣具にもこだわりがあるんですよね。今回はその辺を語らせていただこうかなと思います。
まず前提として、僕は名人でもなんでもなく、プロのトーナメンターとかは言うに及ばず、趣味と言っても真剣に、釣りに専念して取り組んでいる人に比べれば、とんでもなくなんちゃって勢なわけです。
そんな僕でも魚がそこそこ釣れてしまうこともあったりするのは、僕がふかせ釣りの原理やメカニズムを少しだけ理解できてて、自分なりに考えて、自分のやっていることがわかって釣りをしているからだと思います。
これって言い換えれば、「自分の立ち位置がわかっている」「(ふかせ釣りという)対象を理解しようとしている」ということじゃないかなと。
さて、イチバン肝心なのは竿でして、これだけはそれなりに良いやつを使っています。宇崎日新というメーカーのものでして、それなりになんていうと怒られてしまうかもしれませんが、ダイワ・シマノ・がまかつといった大メーカーのハイエンドモデルに比べればという意味でして、僕のような貧乏人には充分すぎる、めちゃくちゃ良い竿です。
でもやっぱり、たまにハイエンドモデルを触らせてもらうと、値段というのはちゃんと考えられてて、10万円近い竿は持ってないみたいに軽かったりします。もちろん、魚がかかった時も暴れさせずに楽に浮かせることができます。
しかし、大事なことは魚が釣れるかどうかですよね。そういう意味では僕のより安い竿でも、腕さえちゃんとしていれば全然釣れるんです。自分の資金力の範囲で、宇崎日新さんの美しい仕上げの竿を愛着を持って、思う存分、ストレスなく竿を振ることができる。こういうことが大事だと思うんですよね。まあ別に競技ではないのですが、ハイエンドモデル使ってる人と同じか、それ以上の釣果が得られれば、ちょっと得意になれますしね。
リールの方は、チヌのふかせ釣りには、レバーブレーキ付きの中型スピニングリールを使う人が多いのですが、僕はこのようにレバーブレーキ無しの小型リールを使っています。ハッキリ言って、チヌのふかせ釣りには、レバーブレーキは要らないと思うんですよね。磯で釣る時は必要な状況も生まれるかもしれませんが、僕の場合チヌを磯で釣ることなんてほとんどないですから。もっぱら防波堤が多いですからね。
ハイエンドモデルがまあ5万円ですかね。僕のは1万円もしません。ここまで小型になると糸ヨレが出やすいというデメリットはあるのですが、何せ軽いし、なんと言っても可愛い!チヌ釣りのリールは道糸さえ巻ければイイと言うと傲慢に聞こえるかもしれませんが、竿もリールもハイエンドモデルなんて、人間に有利すぎるでしょって気持ちもほんのりあります。
ここまで考えてくると、釣り及び釣り道具って、ジャズ及び楽器の関係に、とっても示唆的だなぁと思いますね。
その世界での自分の立ち位置、自分がやりたいことがわかっているか、道具には愛着が持ててるか、こういうことがしっかりとドッシリと、その人なりの方針というかこだわりがハッキリしていると、考えがフラフラせずに楽しめるということだと思います。
いやぁ、早く釣りに行きたい!